
人件費や物価の高騰・・・
今現在、インフレ時代を突き進む日本ですが、過去にも高度経済成長期など、何度もインフレ時代を経験してきました。
今回は、実際にインフレ時代に大きく成長した企業を参考に、インフレ期の資産形成について学んでいきましょう。
大企業が実際に行っている資産形成
1990年までのインフレ期に株や不動産を大量に購入していた企業があります。
皆さんよくご存知の西武グループです。

西武グループは鉄道やリゾート開発など日本の高度経済成長期に大きく拡大した企業の一つで、2代目オーナーの堤義明氏はフォーブスの世界長者番付で1987年~1994年までのうち6度も1位になるなど、まさに日本バブルというインフレを利用して成長した象徴的企業です。

西武グループの大成長の理由として、普通に不動産・株を買うだけではなく、あるものを活用した資産形成が挙げられます。
それが、
金融機関の融資、借入
です。
つまり、銀行などから借り入れられるだけの借入(借金)を起こし、株・不動産を購入していました。
その結果、西武グループは、普通に個人、法人で株や不動産を購入してきた方と比べものにならないほどの資産を築き、世界一の億万長者にまで登りつめることができたのです。
借金恐怖症の日本
株・不動産を買っていくのは、インフレ期の資産形成の仕方としては正解です。
さらにいうと、西武グループのように金融機関の融資を活用することが、特に今の時代では非常に重要になってきます。
ところが今、金融機関の融資を利用することに対して、「借金をしない」、あるいは「借金をしていない」企業が山ほどあります。
この考え方は、バブル崩壊が引き起こしたデフレによる、長く続いた不景気によるものです。

バブル崩壊後の日本の不景気は、底を知ることなく続き、今なお、多くの日本人の苦い経験となって残っています。
- 「借金は怖い」
- 「借金恐怖症」
20年あまりにわたって続いた底なしの不景気は、こういったネガティブマインドを個人や企業に深く根付かせてしまいました。
現在の上場企業は無借金経営ばかりです。
そのため、経営に困窮しているわけでもないのに借金までして資産運用をしている企業というのは、周りはあまり聞かないと思います。
しかしそんな中、今の日本には、昔の西武グループのように金融機関の融資を利用し、借り入れられるだけの借入を起こしている企業があります。
国内すべての借入の3割をたった一社で占める大企業
多くの企業が借金恐怖症に侵され借金をすることができない現在において、あえて借入を起こせるだけ起こし、どんどん資産を増やし続けている企業があります。
皆さんよくご存知の
『ソフトバンクグループ株式会社』
です。

日本の借金王というイメージが染みついているソフトバンクグループですが、実は日本の全上場企業の借入の内の、なんと約3割をソフトバンクグループ一社で占めているのです。
約3,800社ほども上場企業があるにもかかわらず、です。
逆にこれだけソフトバンクの借入が目立つということは、他の上場企業はそこまで借入を起こし切れていないと見ることができます。
これははやり、デフレに伴う不景気を経験したことで、借金恐怖症に陥っているところが大きいのですが、全上場企業の3割にあたる借入を起こしているソフトバンクは、果たして借金返済で首が回らず、経営難に陥っているでしょうか?
答えは『No』。
むしろ、外部から調達した資金を経営に回すことで、事業の幅を広げ、成長し続けることができています。
隠れたソフトバンクの資産形成
日本の全上場企業の3割に上る借入を起こしているソフトバンクですが、皆さんにとってソフトバンクという会社はどんなイメージでしょうか。
- 孫正義
- 日本の借金王
- 大手通信会社
- スマホ会社
- プロ野球球団
- 買収企業
大体思い浮かぶのは、このようなイメージだと思います。

では、ソフトバンクグループが、実は日本有数の不動産保有企業であることはご存じでしょうか。
あまり報じられていないため、ご存じの方は少ないかもしれませんが、ソフトバンクグループは不動産による資産形成も積極的に行っています。
あと5年、10年もすれば、ソフトバンクと聞けば誰もが「不動産を多く持っている会社」というイメージを持つことになるでしょう。
《まとめ》
いかがでしょうか。
今ではプロ野球球団を持つほどの財力をもつ大企業が、インフレ期にどのような資産形成を行ってきたかが見えてきたのではないかと思います。
- 日本人の多くは『借金恐怖症』
- インフレ期の資産形成の鍵は『借入』
- 借入は『資産』に変える
- 本当に今は『インフレ』なのか
- インフレ期の成長の鍵がなぜ『借入』なのか
については、また別の記事でお話しします。
なぜ私が今がインフレ期だと断定しているのか、『インフレとは何か』という仕組みと合わせてお話ししていきます。
インフレは起こっている?起こっていない?この認識の乖離はどこから生まれるのでしょうか。