消費税

こんにちは、クロカレ君です!

前回インボイス制度の概要についてお話ししました。

中小企業や個人事業主といった免税事業者に大きな影響が出る制度ですが、この制度の本質と対策を理解するためには、根幹となる消費税の知識が必要になります。

そこで今回は、消費税の基本的な考え方について、私クロカレ君が、黒松先生に教えていただいたことの復習もかねて、お話ししていきます!

消費税とは

消費税はもちろんみなさん払ったことがありますよね。

みなさんにとって一番身近と言っても良い税金、『消費税』
ですが、実は多くの人がこの消費税を納めたことはありません

どういうことかというと…

こういうと当然に聞こえるかもしれませんが、
消費税とは、消費者が払う税金です。

ただ、この消費税を実際に国に納めているのは事業者なのです。

『税の負担者と納税者』

・消費税は、商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して広く公平に課税される税で、消費者が負担し事業者が納付します。

・商品などの価格に上乗せされた消費税と地方消費税分は、最終的に消費者が負担し、納税義務者である事業者が納めます。

―国税庁ホームページより―

中学校でも勉強しますが、消費税は『間接税』

消費者が消費税を支払い、事業者は消費者から預かった消費税を税務署に納付します。

つまり、消費税を負担するのはあくまで消費者であって、事業者は消費者から受け取った消費税を納めているだけなんです。

なぜここでこんなお話しをしているかというと、消費税には『ある大原則』があるからです。

絶対覚えて欲しい大原則

その大原則とは、

『消費税は二重課税されない』

というものです。

・消費税は、商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して、広く公平に課税されますが、生産、流通などの各取引段階で二重三重に税がかかることのないよう、税が累積しない仕組みが採られています。

―国税庁ホームページ『税の負担者と納税者』より―

消費者から受け取った消費税も、事業者が仕入れ先に支払った消費税もすべての取引に対する消費税を国に納めるということになれば、その最終的な一つの商品に対して二重三重に消費税がかかることになり、この大原則に反します

そのため、事業者が国に消費税を納める際には、

『受け取った消費税から支払った消費税を差し引く』

という処理を行い、最終的に計算された消費税を国に納めるのです。

その処理で使う計算式は下記の通りです。

消費税の計算式
預かった消費税―払った消費税=消費税の納税額

課税事業者の場合、消費税納税額の計算をする際に、事業経費にかかった消費税も含めて計算するので、よくご存じのことだとは思います。

ただ、おそらく個人事業主や免税事業者はこの消費税の大原則をご存じないのではないでしょうか。

だから消費税のもう一つのルールに気付くことなく損をし続けてしまう・・・

この大原則を知らなければなぜ損をし続けてしまうのか
実際に納税する消費税の計算をしながらお話していきます。

納める消費税の実際の計算

まずは消費税が納付されるまでの流れを把握しましょう。

仕入れ代金の支払い

商品を仕入れる際は、仕入れ先(メーカー等)に

本体代金+消費税

の合計額を支払います。

本体代金1,000円の仕入れ
1,000円(本体代金)+100円(消費税)

このとき、まだ消費税の納税額は確定していませんので、仕入れのタイミングで支払った消費税『100円』

『仮払消費税』

と言います。

販売代金の受け取り

商品を販売するときは、顧客から

本体代金+消費税

の合計額を受け取ります。

先ほどの商品を本体代金2,000円で販売
2,000円(本体代金)+200円(消費税)

仕入れのときと同じで、このときまだ消費税の納税額は確定していないので、販売のタイミングで受け取った消費税『200円』

『仮受消費税』

といいます。

消費税の納税額の計算

仮に期中の取引きが先ほどの2回だけだったとすると、消費税の納税額は、

消費税の計算式
預かった消費税―払った消費税=消費税の納税額

上記の通り計算できるので、

200円(仮受消費税)―100円(仮払消費税)=100円

納付額は100円

となります。

もちろん企業の消費税がこの程度で済むことはなく、実際には数百万円、数千万円といった額の消費税を納めている企業もあります。

ではもし仮に、事業が赤字になってしまったとしたら、どうでしょうか。

それこそが消費税に隠されたもう一つのルールです。

消費税納税のもう一つのルール

事業を継続していると、仮受消費税よりも仮払消費税の方が多くなってしまう、ということも出てきます。

典型的な例としては赤字によるものですね。

仕入れや事業投資に5,000万円、消費税500万円の支払いをしたにも関わらず、売上が1,000万円、消費税100万円の受け取りしかできなかった場合で計算してみましょう。

納税する消費税の計算
100万円(仮受消費税)―500万円(仮払消費税)=▲400万円

もちろん消費税の納税額でもマイナスが発生してしまいます。

このマイナス、一体どうすればよいのでしょうか?

実は消費税の納税額でマイナスが発生した場合、そのマイナス分は還付を受けることができるのです。

例えば今回の場合であれば、400万円の還付を受けることができます。

ただし、全員が全員同じ状況で消費税の還付を受けられるわけではありません。

消費税還付の条件

消費税の還付を受けられる条件のまず一つが、

『課税事業者であること』

です。

免税事業者では、還付を受けることができません

どれだけ仮払消費税が大きくても、免税事業者では課税事業者のように還付を受けることはできません

前回のインボイス制度のときにもお話ししましたが、やはり中小規模の個人事業主や免税事業者には、かなり厳しい世の中になっていることは間違いありません

また、還付を受けられる条件に、課税売上の割合も関わってくるのですが、課税売上割合に関しては、また別途お話しさせていただきます。

まとめ

今回のポイント
・消費税には二重三重の課税を防ぐ大原則がある
・仮払消費税の方が多ければ還付が受けられる

消費税は今後も下がることはなくても、上がる可能性は高いですよね。

この消費税が上がって困るのは、実は『消費者』の立場しかないサラリーマンくらいなんです。

事業の経営者はさほど困りません^^
払っても、預かった消費税と相殺できますからね。

消費税の仕組みが理解できたら、インボイス制度の真の意味も理解できます!

実質的な影響も想定しながら次の記事で解説します!